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【私が宿を始めたきっかけ】
私がユースホステルを使った旅をし始めてどのくらいたっただろうか・・・・? 使うまで「ユースホステル」と言う名を知らなかったわけではありません。子供のころ一冊の漫画から知る事になります。兄貴が買ってきた一冊の漫画が家にころがっていました。題名は「サイクル野郎」という題名だったと思います。 どんな内容だったかうろ憶えですが、ある中学生が主人公です。高校受験を目の前にして日本一周の旅へ出る事を夢見、計画します。 「自分の力で何かをやり遂げたい! 何が自分にはできるのか挑戦してみたい!!」 しかし、 ![]() 「何を馬鹿な事を言っているんだ! 高校はどうするんだ! そんなことして将来なんの役に立つんだ!」 と家族・近所の人々の大反対にあいます。そんな彼は夜中に家を抜け出してまで「日本一周の旅」へ出発してゆきました。 小さい私にとって日本一周と言うのは、マルコポーロやマゼランのやった「冒険」と同じくらい素晴らしいものに思えました。 彼は物語りの中で、いろいろな人に旅先で出会います。 地元の人たちの応援や、旅先で出会った人々に助けられながら、そして友に支えられ、そんな中で旅先でのさまざまな困難に打ち勝ち、大事にしている愛車の自転車にまたがって、旅を続ける姿に感動したものです。 私も自転車にまたがって近所をぐるぐる走り回った日々を憶えています。 「旅」ってかっこいいものだな〜と心に焼き付きました。 「ユースホステル」という単語はそのころから心の中にあり、いつか泊まればそういった冒険ができるのだなと憧れていました。 そしてやがて大人になり、あこがれた旅を始めるようになりました。 日本一周をバイクでしましたし、ワイド周遊券を使い列車で冬の北海道などに何することもなく、3ヶ月くらいぶらぶらしながら旅をしてきました。 そんな中で楽しい旅もあれば悲しい旅もありました。 こんな出来事があります。 旅先で一泊だけでしたが、2段ベットの上下でたまたま同じくして寝た大学生の旅人がいました。そのまま翌日お互い違う目的地へ出発したのですが、数日後なんとそこから400kmも離れたとある展望台でばったり再開したのです。いや〜驚きました。 お互い大笑いしながら 「ええ?、何でこんな所にいるの?!」 「お互い様!(大笑い)」 なんて再会を喜んだものです。 その後、不思議な縁で彼は大学のある東北から上京し、私の近所に越して来ました。 またまた実に驚いたものです。 しかしそんな未来揚揚の彼は上京後、半年もたたないうちに不治の病に冒され、一年後・・・看護の甲斐もなく他界してしまいました。 彼の最後のスナップ写真は、車椅子を押す私との写真でした。 私は旅先でたった一日出会った友人の、その後の人生の最後まで関わるなんて夢にも思いませんでした。 彼のお母さんから 「今朝早く亡くなりました・・・。今までありがとう・・・」と会社から帰って聞いた留守電からこのメッセージが流れ出たとき・・・、涙が止まりませんでした・・・。 その後、彼のお墓参りをするための旅は悲しい旅でした。 「いっしょに小笠原へ行って見よう!」 「病気が治ったらうまいものでも食べにいこう!」 そんな病棟での励ましの言葉が頭の中をぐるぐる回りながら、彼のお墓がある北の大地へ向かう夜汽車に乗って旅を続けました。 彼の人生はどうだったのだろう? 生かされている私の人生はどうなんだろう? そんな時、心癒される空間を提供してくれたのがユースホステルでした。 私のように心に傷を負って、また悩みながら旅する旅人も大勢いました。 たった一日だけかもしれないふれあいですが、人間って素晴らしいな、自分にできることは精一杯生きることなんだな!と元気付けられたのです。 ペアレントさんや同じ旅する人に旅先で助けてもらったり、一緒に感動したり、一緒に泣いたり、してきました。 お名前もお顔も、出会った場所ですら正確に記憶しているわけではありませんが、その感動を伝えるとか人へ感謝するという気持ちはちょっとづつ・・・ちょっとづつ、私の心で育ちました。 たくさんの素晴らしい思い出を大勢の旅人にもらったのです。 私はそのお礼の意味を込めてユースホステルを始めました。 当然そのもらった方達に恩返しすることはできません。なぜならお名前もご住所も知らないのですから。 しかし私はその方たちが自分にお礼してくださいと言っている訳で旅をしていた私を応援してくれたのではないと思っています・・・。 私は私を旅人として育ててくれた大勢の人たちにいただいた心を、亡くなった旅人の友にもらった心を、今度は大勢の旅する人に返す番だと思ってこのラズベリーを始めました。 ぜひこのラズベリーに来ていただいたお客様には、ちょっとでも良いので素敵な思い出を作って帰っていただきたいと心から願ってやみません。そのために日々活動をしております。 旅人への恩返しの意味を込めて私はやらさせていただいています。ラズベリーでの出来事は、けっして私がただ単に提供(サービス)させていただくというわけではなく、私もまた自分の楽しい思い出として皆様から多くのことをいただいております。 お泊りいただいた旅人同士はもちろん、マネージャーもヘルパーもお互いにあたえあう・・・、これを大事にしてゆきたいと考えております。 お互いに尊重しあえたら・・・と願っております。 ですのでどうしてもご無理なことなどはお断りさせていただくことも当然ございます。 危険な行動をされたり、お一人で身勝手な振る舞いをされ、他の方にご迷惑をおかけする方などは、たとえお客様でも怒らせていただくこともあるかもしれません。 これがラズベリーの運営方針です。 宿とはマネージャーが一人で作り上げる空間ではなく、お客様と、ヘルパー達と一緒に創りあげるものだと思っております。 またユースホステルをご存知ない方には、ぜひ一度お泊りいただいて素晴らしさを実感していただきたいと願っております。 私はいつも素晴らしいお客様へ私は感謝でいっぱいです。 「これで,また明日から,馬車馬の如く働けるような気が」 皆様からのこのようなメッセージをいただけた時、私もまたこの瞬間から頑張れます! どうぞ皆様がラズベリーから素敵な思い出をお持ちかえりいただけるよう、私をはじめヘルパー一同頑張っております。 これが私がユースホステルを始めた訳・・・です。 長々とお読みいただきありがとうございました。 ![]() マネージャーより |